少しシャレのようになりましたが、よく聴く耳とは、周りの静寂や、音をよく聴くこと

 

そうすることで、自分の今居る場所の状況を把握できるようになると、特に仕事などをしているとよく実感しています

 

そして、何か異常などがあればすぐに感知できるようにもなります

 

そして、よく聴く耳を持てば、よく利く目を得れる、そう思います

 

目が利くとは、善悪を判断する能力や、物事の本質を見抜くことに優れていること、という意があるようです

 

又、少し以前に知ったことなのですが、ひらめやすい脳を生むには、色々考え込むよりも、ぼ~っとすることが良いそうです

 

私なりの見解では、坐禅の要所は静寂を感じて精神統一、瞑想を図ることであり、ひらめきやすい脳を生むという効果もあるのでは、と思います

 

そして、よく聴くということは、静寂を感じるという点で坐禅の要を行じているとも言え、やがてそれが目が効くようになることにつながっていくともいえるのでは、と思います

 

禅の思想の理想は行動をしている際も坐禅をしている心境で行動すること(これは「動中の禅」と言われます)であり、これは禅の思想が大事にする「今を見る」ということにつながります

 
以前にもこの「風の人」の中でお伝えしましたが、禅語に「茶(さ)に逢(お)うては茶(さ)を喫し、飯(はん)に逢うては飯を喫す」とあります

 

これは今目の前のことに集中することの大切を説いた言葉です
ただ、やはり私としては併せて先(未来)を見る目を持ちつつ、と強調したいところです

 
今だけ良ければ良い、とは人として少し無謀な気が致しますので

仕事でも段取り8分というように、計画性を伴ってこそだと思います

 

また、急げばことを仕損じるという言葉があり、私は少し変えて、焦ればことを仕損じる、と読んでいるのですが、先を読んで行動することで、あたふたすることも大方なくなるのではないかと思います

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そして、今を見る、目の前のことに集中する際に大切なことは、浮気(世間一般の男女関係の意味ではなく、もうひとつの、1つのことに集中できず、他の事に目移りしやすいという意味)をしない、ということだと思います

目的の行動をする際に、途中他の事に目移りして、その他の事をしてしまう

そして、本来の目的である行動を先延ばしにする形になる

それを私は浮気、浮気性がある、と呼んでいます

 

また、作業などをしていても、他の事を考えたりして、上の空で作業をしていれば思わぬ怪我、事故、失敗、トラブルなどを起こす危険性も高まるものです

 

その辺りを踏まえて、本来の目的である行動を、勤めをしっかりと果たすことが肝要かと思われます

 

とかく、今回お伝えしたいことは、今の静寂を感じて行動しつつ、先を見る

 

よく聴く耳を持ち、よく利く目を養う

 

上の空で作業をしない

 

本来の目的の行動から逸(そ)れた行動をしない

 

総じて、これらが禅の思想が大切にする、「動中の禅」ということになるのであろう、ということ

 

「動中の禅」の要所としては、第一歩として、先ず、周りの音をよく聴く、静寂を感じることから始まると思います

 

これまで、静寂を感じることの大切さを私なりに度々お伝えしてきました

しかし、それは仏教の先哲達が繰り返し説いてきた部分でもあります

 

尚、良寛(りょうかん)さんの名で親しまれている、大愚良寛(たいぐりょうかん)和尚様の和歌に、ひとり山奥の庵において、夜中に時雨が降る音を聞いた様子を詠(よ)んだ、次のような和歌があります

 

静寂を感じながら、今一度、静寂というものを見つめ直したいものです

 

『誰(たれ)か問(と)わん、迷悟(めいご)の跡(あと)、何(なんぞ)知(し)らん、名利(みょうり)の塵(ちり)
夜雨(やう)、草庵(そうあん)の裡(うち)、双脚(そうきゃく)、等閑(とうかん)に伸(の)ばす 』

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