今回は、諸行無常についてお話しします。
諸行無常とは仏教で説かれることであり、常なるものはなく、形あるものはいずれ消えゆく、という教理です。
また、仏教には生老病死ともあり、そこでは、生まれ、老い、時に病み、そして死す、と説かれます。
これらは一見、ネガティブな物事の見方にも見えますが、だからこそ、「どう生きるか」という教えが仏教であり、葬式仏教と言われて久しくも、本来の仏教とは正に生きる者のためにあるものです。
前回の風の人でのお話(94話目)の「今日を生きる」の内容と関連することであり、「今日の残り時間」を意識する、ということにもつながります。
諸行無常とはつまり、人生は有限である、もっと平たく言えば、「今日が命日かもしれない」ということを諭(さと)すものです。
実際、過ぎゆく日々において、いつ何時何が起こるか分からないのがこの道であり、また、絶対に今日も生き延びるという保証はどこにもない。
「今日が命日かもしれない」という視点はややもネガティブにも見えるかもしれません。が、だからこそ今日をどう生きるかという活力を与えてくれます。
「自身においても周りの人などにおいても、今日が命日かもしれない」、そう意識することで生き方が変わります。
つまり、「今日を生きる」ことにつながるのでしょう。
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